『教育とITで企業の経営を革新』
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2010年04月27日

eラーニングと映像[24]

 eラーニングと映像、eラーニングで使用する映像を作成するために役に立つ知識・技術について紹介していきます。今回も画像のブレについて考えます。

前回までお話したインターレース記録方式による画像のブレですが、表示サイズの変更によっては見え方に変化があります。

縮小3.png

上の画像は表示した倍率で縮小したものでが、その表示にかなりの違いがあることが見て取れます。50%表示ではインターレースの線が消えてきれいな画になりました。しかし28%、66%は更に線の目立つ状態になっています。こんな状態では誰が見ても「もう少し何とかならないのか」と突っ込まれることでしょう。

では、サイズを変えるとなぜこのような状態になるのでしょうか。
理由は簡単で、50%表示は前回の話に出た「走査線を半分のみ使用する」と同じ状態になるためブレはなくなります。1/60秒ごと2回で1枚の画を作っていたものが1回の情報量で丁度できているのです。

次に66%ですが、この倍率では奇数線を「A」偶数線を「B」とすると、AABBAABB…と横線が1/60秒ごとの2回循環になるためこのよう見え方になってしまいます。28%も同様の理由でこうなります。

縮小りくつ2.png

通常、ビデオカメラのSD画質で撮影したファイルの画面サイズは横640、縦480ピクセルです。eラーニングでは、このサイズのビデオを使用するよりも、いくらか縮小して使用するケースが多いと思いますが、手順を誤るとこのような表示になってしまいます。

解決策はいくつかありますが、一番良いのは表示される画面サイズでビデオをエンコードすることでしょう。また、前に出ましたように50%表示、横320、縦240ピクセルで作成すればインターレースを気にする必要がなくなるので有効です。

このように映像を制作するものは、拡大縮小による表示サイズでの見え方に違いがあることを覚えておくと役に立つでしょう。
posted by 開発部OliveDrab at 17:35
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2010年04月13日

eラーニングと映像[23]

 eラーニングと映像、eラーニングで使用する映像を作成するために役に立つ知識・技術について紹介していきます。これから何回かにわたり画像のブレについて考えます。今回はその原因の一つであるインターレースについての続きです。

前回お話ししたように、被写体の輪郭にギザギザした線が見える現象、これはインターレースという方式で映像を記録していることによるものでした。しかし何故PCで視聴するときはそれが目立つのでしょうか。

それは、PCのモニターがインターレース方式で表示しないことが理由です。ちなみにPCのモニターはプログレッシブ(順次走査)という方式が通常で、これはインターレースのような処理をせず一度に全画面を表示します。(機材によっては最上部と最下部では表示に時間差が出ることがありますが、ここでは無視します。)

つまりテレビとPCでは本来画面表示の方法が違うので、ギザギザした線が見えるなどの問題が出てしまうということです。では、どうすればギザギザした線が見える現象を抑えることができるのか方法を挙げてみます。

・プログレッシブで撮影・記録する
 PCでの視聴を目的とするなら、始めからその表示に合った方式で記録するのが一番です。
なお、今までは触れませんでしたがHDTVにはプログレッシブの規格もあり、その方式で記録できるビデオカメラも民生用・業務用各種が販売されています。また動画撮影が可能なデジタルスチルカメラでもプログレッシブで撮影可能です。

・走査線を半分のみ使用する
 インターレースで記録された映像は1コマ内に2回撮影された情報が上から交互に並んでいるため動きのある箇所がギザギザに見えてしまうわけですから、その2回のうちの1回分の情報で描画をすれば、そのギザギザはなくなります。
通常この操作はAbobe Premiereなどの映像編集ソフトウェアで行います。ただしこの方法では情報量が半分になりますのでその分を残った情報で補完することになります。また、ぼかしをかけてギザギザを目立たないようにする方法もありますが、どちらの方法ももとの画像よりシャープさは失われます。
解除前後.png

インターレースは処理がきっちりできていると確実に品位が向上します。基本的な仕組みを理解できていればその対応もしやすいはずですので、できるだけ留意したい項目です。
posted by 開発部OliveDrab at 16:30
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2010年03月16日

eラーニングと映像[22]

 eラーニングと映像、eラーニングで使用する映像を作成するために役に立つ知識・技術について紹介していきます。これから何回かにわたり画像のブレについて考えます。今回はその原因の一つであるインターレースについて、基本的な説明をしていきます。

インターレースの横線2.png

上の写真は、手を上下に動かしているところを普通にビデオカメラで撮影した一コマです。PCでビデオ映像を観ていると被写体の輪郭に、何やらギザギザした線が見えることがあると思います。この荒れたギザギザが見えているのは決して気持ちのいいものではありません。動画を作成する人はこのような表示になる原因を理解して、きれいな映像の作成に役立てていただければと思います。

まず、なぜこのような表示になってしまうのか言ってしまえば、それはインターレースという技術を使用していることが理由です。そこで、まずはインターレースという技術の説明をしていきます。

日本で普及している映像は、テレビでもビデオカメラでも1秒間に30枚の画を連続で表示しています。これは相当なスピードで、1コマ1コマはそれこそ目にも止まらぬ速さで流れていくため動いている画としてみることができるわけです。ですがテレビは画面が発光して画像を表示しますので、実はこの30コマ毎秒でも人間の目では光がチラついて見えてしまいます。

では、もっと毎秒のコマ数を多くすれば良いということになりますが、それでは情報量が増えて別のところで問題が出てしまいます。そこで考えられたのがインターレース(飛び越し走査)という技術です。これは画面の情報を横方向に細かく分けて、それを奇数番号/偶数番号の順に表示することで描画の回数を増やすというものです。

interlace.png

なので、実際は1コマを2つに分けて表示すると、1秒間に30枚の表示、60回の描画となり、ちらつきは大分やわらぎます。また、この画面を横方向に奇数/偶数で分けるという処理は表示(視聴するとき)だけではなく、撮影するときにも行われています。つまり、カメラでも1秒間に60回、奇数/偶数の情報を交互に記録して、それによって動きの速い被写体でもより滑らかに記録することができるわけです。

以上のように、インターレースは情報量を増やさずチラつきを少なくし、さらに動きを滑らかにできるという素晴らしい技術ですが、PCで使用する動画としては若干の問題があります。それが上で表示した、おかしな横線が目立つ状態になりやすいことです。

では、この横線はどのようにすれば消す(発生させないようにする)ことができるのでしょうか? 引っ張るような内容ではありませんが、長くなりますのでその方法は次回にて述べたいと思います。
posted by 開発部OliveDrab at 20:00
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2010年02月16日

eラーニングと映像[21]

 eラーニングと映像、eラーニングで使用する映像を作成するために役に立つ知識・技術について紹介していきます。今回は動画ファイルを再生する場合について考えます。

 動画ファイルはこれまで述べてきましたとおり多くの種類が存在しますが、再生する場合はたいていWindows Media Playerなどの動画再生ソフトウェアに関連付けられているため、アイコンをみればプレイヤーで開くファイルなんだなと確認できますし、ダブルクリックすれば再生します。

 通常はこれで問題ないのですが、特に作成途中の動画を確認のために視聴しなければいけないような場合に、渡されたファイルが再生できないという話をよく耳にします。次に動画ファイルが再生できないケースをいくつか記載しますので参考にしていただければ幸いです。

・コーデックがインストールされていない
 前回まで述べたようにファイルに対応したコーデックがPCにインストールされていないとファイルは再生できません。一般的に拡張子aviで発生しやすい問題です。また、音声のコーデックも映像と同様にインストールされていないとファイル自体再生できないこともあります。

・構成ファイル
 DVDの映像ファイルVOBなどファイル自体は動画ファイルでも、通常プレイヤーに関連付けがされていないため開けないことも多いようです。また、プレイヤーによってはこの形式を再生させないようにしているものもあります。他にはVideo-CDで使用されるファイルdat等があります。

・Flash Video
 急速に普及したFlash Videoですが、通常はブラウザー等で表示するFlash Playerで再生するため、ファイル単体flv、f4v等は通常そのままでは再生できないことが多いようです。これらファイルを直接再生したい場合は対応したプレイヤーを入手する必要があります。

・メタファイル
 それ自体には動画が記録されていないファイルです、ネットワーク上にある動画ファイルにアクセスするためのアドレス等が記録されており、Windows Media用のasx、Real Media用のram等があります。動画を再生するためにはネットワークが繋がっていること、ファイル自体が存在していること等の条件があります。ファイルアイコンが通常の動画ファイルと同じになることが多いため紛らわしいですが、特徴としてファイルサイズが小さいことが挙げられます。

 このように動画ファイルが再生できない場合の理由はとても多くのケースがあり、これらに対応するには、ある程度の知識と慣れが必要となります。ですがその事実を理解しているだけでも「再生できない=ファイルが壊れている」と安易な判断をしないようになれると思います。
posted by 開発部OliveDrab at 13:48
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2010年01月19日

eラーニングと映像[20]

 eラーニングと映像、eラーニングで使用する映像を作成するために役に立つ知識・技術について紹介していきます。今回も圧縮について考えます。
 前回までで映像ファイルの圧縮については様々な方式があり、圧縮とそれの視聴にはコーデックというものが必要と述べました。今回は、このコーデックについてもう少し話を進めます。

 まず、話を簡単にするために映像ファイルを二つの種類に分けてみます。
・撮影や編集の過程で作成・使用するもの
・公開して、多くの人に見てもらうためのもの

・撮影や編集の過程で作成・使用するもの
 基本的に、編集・加工、再保存で画質に劣化が少ない方式が使用されます。ですがその反面、圧縮率を高くできないためファイルサイズは大きくなります。拡張子では「avi」が多く使用され、代表的な映像コーデックは「DV」です。
 なお編集向きのコーデックは有償であるなどして、どのPCでも再生可能できるものではありませんので確認のためのファイルの受け渡しなどでは注意が必要です。

・公開して、多くの人に見てもらうためのもの
 現在インターネット上で見る動画は通常こちらの形式です。圧縮率が高く設定され、ファイルサイズは小さくなります。
「FlashVideo」、「WindowsMedia」、「QuickTime」、「RealMedia」などがあります。
これらの映像は多くの人に観てもらうためのものですので、視聴のために専用の知識が必要であったり難しい手順があっては困ります。それゆえ、これらの形式では対応したプレーヤーをインストールすると自動的にコーデックもインストールされ、対応したファイルを再生できるようになっています。
 例えばFlash Videoは、Flash Playerがインストールされていれば観ることができますし、Windows OSではWindows Media Playerが初期状態でインストールされていますのでWindows Mediaの視聴が可能です。通常、各プレーヤーは無償で提供されています。

 また、DVD Videoもこちらに入れることができるでしょう。DVD Videoでは「MPEG2」というコーデックが使用するという規格があり、DVD再生対応プレーヤーで視聴が可能です。なお上記の例に漏れず、MPEG2を再生するためにはMPEG2コーデックが必要であり、たいていの場合はDVD再生対応プレーヤーをインストールすると一緒にこれもインストールされます。なお、コーデック自体は有償なためプレーヤーも通常は有償です。

 このように、一般に視聴をしてもらうための動画ファイルでは、通常コーデックについてあまり意識する必要はありません。それでもプレーヤーはインストールされている必要がありますので、特に企業等でPCに自由にプログラムをインストールできないような環境での視聴には注意が必要です。
posted by 開発部OliveDrab at 15:26
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2009年12月22日

eラーニングと映像[19]

 eラーニングと映像、eラーニングで使用する映像を作成するために役に立つ知識・技術について紹介していきます。今回も圧縮について考えます。

 前回までの話で、圧縮により動画のファイルサイズを効果的に減らすことができることがおわかりいただけたと思います。では、実際に圧縮はどのようにして行うのかを述べたいと思います。

 まず動画の圧縮を行うには動画を出力することができるソフトウェアが必要です。例えばAdobe Premiereのような動画編集ソフトでは、編集後に動画ファイルを出力する場合に圧縮方法を指定できます。
 また、Canopus ProCoderのように既にある動画ファイルより圧縮方法を指定して別の形式で圧縮した動画ファイルを出力できるものもあります。

19_1.png

上の図はAdobe Premiereのムービー書き出しダイアログの設定画面です。このソフトウェアでは「ビデオ」「圧縮」という項目から圧縮形式を選択します。このように、圧縮はいくつかの中から選択するようになっています。また、今まで出てきませんでしたが、この圧縮形式はビデオコーデックと(単にコーデックとも)呼ばれます。

 各圧縮形式にはたいてい細かい設定ができるようになっていて、どの位の圧縮を行うのか(圧縮率)などを設定できるのが一般的です。また以前に述べましたように、ここで画像の縦横サイズ、コマ数(フレームレート)を変更できる場合もあります。
 このコーデック、実に多くの種類があり、それぞれ特性が異なるのですが、それらについては別の機会に述べたいと思います。

 また、このような方法で圧縮されたファイルを再生するためにはやはりコーデックが必要になります。他の人から受取った動画ファイルなどがプレーヤーで再生できないような場合は、コーデックがそのPCにインストールされているかを確認するのが解決の一歩です。

 なお、インストールされているコーデックは、Windowなら「デバイスマネージャ」の「サウンド、ビデオ、およびゲームコントローラ」の「ビデオCODEC」のプロパティより確認することができます。

19_2.png

次回は、このコーデックについてもう少し詳しく述べたいと思います。
posted by 開発部OliveDrab at 11:12
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2009年11月24日

eラーニングと映像[18]

 eラーニングと映像、eラーニングで使用する映像を作成するために役に立つ知識・技術について紹介していきます。今回も圧縮について考えます。

前回で述べましたように、画面のサイズを小さくしたり、秒あたりのコマ数を少なくしたり、色数を少なくするなどで情報そのものを間引きすれば動画のファイルサイズは小さくすることが可能でした。しかし考え方として、これはむしろアナログ的な要素でのことです。フイルム動画で考えるとわかりやすいので例に出しますと、16ミリフイルムより8ミリフイルムのほうが大写しにした場合の粒子の細かさは劣りますが、省スペースですし、毎秒24コマで撮影するより16コマで撮影したほうが長い時間撮影できます。
これにデジタルデーターならではのファイルサイズ削減方法を加えます。

・空間圧縮、時間圧縮
動画中の1コマという範囲で行う圧縮を空間圧縮、複数のコマを使用して行う圧縮が時間圧縮です。動画ファイルでは1コマをフレームという単位で呼びますのでそれぞれフレーム内圧縮、フレーム間圧縮ともよばれます。

空間圧縮では、動画の中に連続して存在するフレームの一枚画の範囲で情報を削減します。技術的なことにも少し触れますが、まず画像を8x8ピクセル程度のブロックに分けます。これをブロック単位で周波数としての情報に変換し、この情報を削減します。この方法は静止画のJPEG等で使用されるもので動画でも使用されます。
FrameComp.png

時間圧縮では、連続するフレームの差を比べて情報を削減します。これはさまざまな方法があるのですが、動画の1つのフレームを基準に考えると、その前後のフレームと同じような画であることが多いため一つ前のフレームとどう変化したのか、さらに進んで次のフレームではどのように変化すると予想されるのかなどの計算します。大雑把な話、前のフレームと全く同じ画ならば全画面前のフレームと同じという情報さえあればそれで1フレームの情報となります。動きがあったとしても一部なら、その動きがあった部分の情報があれば良いわけです。

簡単にではありますが、以上のような方法でデーター量を少なくできることがお伝えできたのではと思います。次回は圧縮と再生のための伸張について述べたいと思います。
posted by 開発部OliveDrab at 17:33
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2009年10月26日

eラーニングと映像[17]

 eラーニングと映像、eラーニングで使用する映像を作成するために役に立つ知識・技術について紹介していきます。今回も圧縮について考えます。

 PCで動画を扱う限り、圧縮というものは切り離して考えられないものであることは前回述べました。圧縮された動画の最大の有利点はファイルサイズを効果的に小さくできることです。ここでのキーワードは「効果的に」という部分で、それを軸に話を進めます。

映像ファイル、実は一般的に圧縮と呼ばれることをしなくてもファイルサイズを小さくする方法があり、主なものは次の通りです。

・解像度を低くする
 例えば縦480ピクセル、横640ピクセルで記録されている動画を半分のサイズ縦240ピクセル、横320ピクセルにします。表示の単位としてはピクセルが最小ですので、半分にするということは縦横それぞれの情報を半分に間引くことになり、その情報量は1/4に、ファイルサイズも約1/4になります。

・コマ数を減らす
 毎秒30コマで記録された動画を毎秒15コマにします。これもやはり情報を間引くことになり情報量は1/2に、ファイルサイズも約1/2になります。

・色情報を減らす
 PCでは一般的に色の情報をRGB(レッド・グリーン・ブルー)でそれぞれ256階調、16,777,216色(24bit)の表示が可能ですが、これを16bitにすることでその情報量は1/2に、ファイルサイズも約1/2になります。

 仮に上の三つを実施すれば情報量は1/16になります。
実際のところはそのままの計算どおりにはなりませんが近い数値になり凄い削減量です。
繰り返しになりますが、これらの方法は圧縮とは言いません。ですが基本的にファイルサイズを減らすにはこれらの方法を使用しなくてはならず、映像の圧縮技術もこれらの方法を使用しています。

 では上の方法と圧縮技術の違いは何でしょうか。そこで先に出ました「効果的に」という部分になります。上の方法をただ実施しただけでは画面サイズは小さくなり、動きはぎこちなく、色は鮮やかさがなくなります。動画の圧縮技術は基本的にそれらを感覚的に感じさせずに情報量を減らすために工夫された、一種の組み合わせパターンです。そのパターンを当てはめて動画を作ることを通常「エンコード」、逆に圧縮された動画ファイルを表示のために単純な表示のための情報に戻すことを「デコード」と呼び、映像圧縮では頻繁に使用される言葉です。

 次に、どのような方法ならば感覚的に圧縮されたことを感じさせずに済むのかとなりますが、これは次回にて述べたいと思います。
posted by 開発部OliveDrab at 17:14
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2009年09月29日

eラーニングと映像[16]

 eラーニングと映像、eラーニングで使用する映像を作成するために役に立つ知識・技術について紹介していきます。今回からは圧縮について考えます。

 私たちが目にする画像や映像は、デジタル記録方式ならば通常それは圧縮された画像・映像だと思って良いでしょう。最近はアナログ記録の映像・画像を観る機会はかなり少なくなったと思いますので、大抵は圧縮されたものを観ていることになります。なおテレビ局など大がかりな放送施設では非圧縮のデジタル記録編集機材で構成されたシステムを保有していますが、ニュース映像など野外で撮影・記録されたデジタル映像の多くはその時点で圧縮が行われますので部分的にでも圧縮された映像を観ることになります。

しかし普通にテレビやDVDビデオを視聴している限り、映像の圧縮というものを気にして観ている人は多くはないでしょう。もし意識している人は、何らか圧縮の勉強をした人か圧縮で苦労した人だと思います。このように通常の視聴者には意識されない圧縮は、逆にそれを考えなければならなくなった場合苦労が必要になります。そこで今回から数回にわたり、画像・映像の圧縮についての基本的な方法や考え方を述べたいと思います。

まず最も基本的なことから確認するために映像ではなく画像で考えます。圧縮された画像(写真など)はファイルサイズを小さくすることができます。ファイルサイズが小さくなるとデーターの送受信や読取り書込みの量が減りますのでそれだけで色々と効率が良くなります。また圧縮された画像と非圧縮の画像でファイルサイズ同じだけ使用できるならば圧縮された画像のほうが高解像度にできます。

インターネット環境、回線速度が全体的に遅かった一昔前では現在よりもファイルサイズが小さくなると言う事はとても重要でした。またメディアに記録する場合でも、記録容量の少ないフロッピーディスク等が主だった時代ではサイズの大きいファイルファイルは扱いが大変でした。そのような理由でwebで表示する画像は[jpeg]、[gif]といった圧縮された形式が黎明期から使用され、ブロードバンドが普及した現在でもその有用性は変わらず使用されています。

これは映像についても同じことが言え、転送するにも記録するにもファイルサイズは小さいほうが有利です。画像に比べ一般的にファイルサイズが大きくなる映像ではさらにそれをしっかり考えなければいけません。そして現在までさまざまなの映像圧縮形式が登場し、効率良くファイルサイズを小さくしてくれるようになりました。

と、ここまでは圧縮バンザイと言ったところですが、良いこともあれば悪いこともあるのはこの世界でも変わりません。基本的には利点と問題点を秤にかけて、時代の変化に合わせてより有利な方法を色々な人がさまざまな価値判断で選択してきたのが映像圧縮とその普及です。その複雑で多様化した映像圧縮について、ユーザーレベルで基本的な理解が得られるよう具体的な内容を含めて次回以降進めさせて頂きます。
posted by 開発部OliveDrab at 12:41
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2009年09月01日

eラーニングと映像[15]

 eラーニングと映像、eラーニングで使用する映像を作成するために役に立つ知識・技術について紹介していきます。今回はDVDをはじめとする12cmディスクについて考えます。

 ハード、ソフトともDVDというものが世に出て既に10年以上が過ぎ、既に次世代の記録メディアであるBlu-ray Discも普及しつつあります。
それ以前の映像記録メディアであるVHSはDVDにほぼ駆逐されました。この例からはDVDも過去のものとしての地位に追いやられる運命にあるようにも思えますが、どうもそう単純にはいかないようです。

 音楽やPCのデータ保存用としてのメディア、CDは現在も色々な形で生産され続けています。DVDもおそらくCDと同様に今後も使用されていくと考えられますが、VHSとDVDは決定的に何が違うのでしょうか。おそらくの大正解は、映像の記録以外には使用できるか否かだと思いますが、ここではアナログ/デジタルの記録方式の違いと、他のメディアとの再生(記録)互換性があるか否かで考えます。

 この二つでわかりやすい表現にしてみると、VHSテープはVHSデッキ以外では再生できませんが、DVDはマルチドライブであればCD、BDも同一のプレイヤーで再生が可能であるということです。(厳密に言うとVHSも、S-VHS、W-VHSなどの種類があり下位互換が実現しているものもある。またD-VHS等デジタル記録方式のVHSも存在するが今回は触れない)

 昔録画したVHSテープの映像がデッキが壊れてしまい観ることができない等ということが良くありますが、DVDに関しては現在最も新しい企画の普及品BDプレイヤーがあれば再生することができます。これはCDとDVDについても同じでした。統一規格のメディアに記録できることがほぼ前提となりますので、これこそがデジタル方式記録の恩恵と言えるでしょう。つまり、これら12cmメディアが現役であるうちは以前の規格であっても同様に現役たることができるわけです。

 しかしこの事実、何らか映像を扱うものにとってはある意味厄介なことです。制作するにしても素材として使用するにしても様々な規格に対応する必要があります。ましてやデジタル記録のため、何らかの都合で画質を劣化させることは通常許されません。

 12cmディスクに記録された映像はVideo-CD、DVD-Video、BD-Video等、更にPC等での視聴を主に対応した映像ファイル形式で記録されたデータディスクがあります。今後はこれらに記録される映像の方式や圧縮について数回にわたり考えていきたいと思います。
posted by 開発部OliveDrab at 15:52
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