前回までお話したインターレース記録方式による画像のブレですが、表示サイズの変更によっては見え方に変化があります。
上の画像は表示した倍率で縮小したものでが、その表示にかなりの違いがあることが見て取れます。50%表示ではインターレースの線が消えてきれいな画になりました。しかし28%、66%は更に線の目立つ状態になっています。こんな状態では誰が見ても「もう少し何とかならないのか」と突っ込まれることでしょう。
では、サイズを変えるとなぜこのような状態になるのでしょうか。
理由は簡単で、50%表示は前回の話に出た「走査線を半分のみ使用する」と同じ状態になるためブレはなくなります。1/60秒ごと2回で1枚の画を作っていたものが1回の情報量で丁度できているのです。
次に66%ですが、この倍率では奇数線を「A」偶数線を「B」とすると、AABBAABB…と横線が1/60秒ごとの2回循環になるためこのよう見え方になってしまいます。28%も同様の理由でこうなります。
通常、ビデオカメラのSD画質で撮影したファイルの画面サイズは横640、縦480ピクセルです。eラーニングでは、このサイズのビデオを使用するよりも、いくらか縮小して使用するケースが多いと思いますが、手順を誤るとこのような表示になってしまいます。
解決策はいくつかありますが、一番良いのは表示される画面サイズでビデオをエンコードすることでしょう。また、前に出ましたように50%表示、横320、縦240ピクセルで作成すればインターレースを気にする必要がなくなるので有効です。
このように映像を制作するものは、拡大縮小による表示サイズでの見え方に違いがあることを覚えておくと役に立つでしょう。