シミュレーション技法の eラーニングでの利用 [第46回]
教材コンテンツの制作者なら誰もが悩む課題の一つに“シナリオ制作”があります。
制作会社によっては呼び方が違う場合もありますが、ここで言う“シナリオ”とは、「制作者が教材コンテンツを作る際の基となる資料」を指します。
大体の場合、教材コンテンツの制作過程は、大元となる原稿の入手から始まります。そして、入手した原稿を解析し、コンテンツ用のシナリオに変換(書換え)します。
この変換で発生する作業が“シナリオ制作”です。
教材コンテンツ用のシナリオは、表現するコンテンツの種類によって変わってきます。現在、eラーニングで使用される教材コンテンツの形式は大きく2種類に分類できます。
- Flashなどを利用して音声やアニメーション、動画などの素材を用いて視覚的に訴える教材。
- 静止テキストをメインに画像などを組合わせたHTMLベースのオーソドックスな教材です。
1のシナリオは“動画で表現される”ことを意識して制作する必要があります。イメージ的には、普段見慣れているTV番組を想像すると良いかもしれません。
例えば、NHKで放映される言語の教育番組などです。
このような番組を観ながら、番組構成やシナリオがどのように作られているかを想像すると分りやすいでしょう。
2は1と違って動的な表現は要求されません。しかし、その分表現の幅も限定されます。
この場合、静止テキストをベースにするので、読みやすい分量での区分けや補足画像の使用などと言った構成に気を配る必要があります。また、スクロールバーを無くすために細かくページ数を増やすのも方法の一つです。
1と2、どちらにも長所や短所があり、費用対効果や学習効率を考えて決めて行かなければなりせん。
しかしながら、教育コンテンツにおける内容的な品質はシナリオの出来で決まってくると言っても過言ではありません。
シナリオを作成する機会がある際にはちょっと意識してみてはいかがでしょうか。