2021年02月24日

嘘のような本当の話

こんにちは
インフラ系業務を担当しています。

最近、社内ではプロダクトの品質を上げるための一つの要素として、コミュニケーションの質をもっと上げましょう、という話が持ち上がっています。
この話が出た時に、昔、まだ私が新人だったころの話を思い出しました。

30年位前、私はMS-DOSベースのパソコンしか操作したことがなく、サーバやワークステーションの経験がありませんでしたが、いきなり、UNIXワークステーションの初期セットアップを一人でやってみろと、と任されたことがありました。
そして、セットアップ対象のワークステーションは目の前にあるのですが、マニュアルがありません。
まずは電源を入れてみたら、起動モードを指定する画面が出てきました。UNIXワークステーション初心者なので、起動モードというのが何か分かりません。

UNIXワークステーションは初めてで、マニュアルもないので困りましたが、1人でやってみろ、とのことなので先輩には聞かず、サポートの電話番号を調べて電話してみました。そして、その時の回答が「オンラインマニュアルを見てください」でした。そのワークステーションはマニュアルを全てオンライン化しており、紙のマニュアルは発行していませんでした。(当たり前といえば当たり前ですが、当時の私にとっては初めてづくしでした)

その後、サポートセンタの方と電話口で、(サ:サポセンの方)
私:「ワークステーションを操作するのは初めてで、起動モードの入力で止まってしまうのですが、起動モードについて教えてください」
サ:「オンラインマニュアルを見てください」
私:「オンラインマニュアルはどうやって見ますか」
サ:「ワークステーションを起動すれば、見ることができます」
私:「起動モードの入力で止まってしまって、起動できません、起動モードについて教えてください」
サ:「ですから、オンラインマニュアルを見てください」
私:「ですから、起動モードの入力で止まってしまって、そのオンラインマニュアルが見られないのです」
サ:「オンラインマニュアルに記載してあるので、ワークステーションを起動してください」
...

自分が初心者で教えてもらう立場だったので、しばらく我慢して同じ内容のこの問答を数回繰り返しましたが、4〜5回目で我慢できず、他の人に代わってください、と頼みました。

代わっていただいた方に改めて、「起動モードについて知りたいが、起動しないのでオンラインマニュアルが見られない」とお伝えしたら、その方には平身低頭、謝られてしまい、オンラインマニュアルで起動モードについて記載した部分を印刷してFAXで送ってくださいました。
(当時はメールもありましたが、FAXがまだよく使われていました)

そして私は、もっと早く代わってもらえばよかった、という後悔と、自分の伝え方が間違っていたのではないか、という疑念と、最初のハードルをクリアした安堵感の、複雑な気持ちになりました。

今は、手順書を書いたり、マニュアルを書いたりする立場に代わっていますが、話がかみ合わない時に、たまにこの時のことを思い出すことがあります。こちらが伝えたいことを正確に伝える、相手の方が知りたいと思っていることを的確に伝えるのは意外と難しく、自分の理解度、聞く力、話法、様々な要素が絡みますし、また、これといった特効薬はなく、この歳になっても日々試行錯誤が続いている状況です。

コミュニケーションは、社内ではアウトプットの品質を上げる、短期間で仕上げる上で重要ですし、お客様に対しては、作り上げたサービスをアピールする上で重要な要素です。また一方で、言葉は時代とともに変化もしていきますので、ぶれてはいけませんが、試行錯誤は何時までも続くと思っています。

弊社のサービスの主力は「学び〜と」等のe-ラーニング系がメインとなりますが、より良いサービスの実現と、お客様満足の好循環を作り上げていけるよう、努力していきますので、今後ともよろしくお願いします。
posted by PQRS at 09:59
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