早いもので5月も下旬。じわじわと汗ばむ季節になりました。
いよいよ郊外で活動する時は水分や紫外線に注意が必要になりましたね。
さて、こんな季節ではありますが、
東京都美術館で5月24日まで開催の「若冲展」に行って参りました。
私は若冲大好き人間でして、
若冲展があると聞けば東西南北、どの地方にも足を運びます。
今回は近場の東京で一生のうちに何度目にすることができるかわからないような
大変貴重な「動植綵絵」30幅にお目見えできるとあって、
「まあ、なんて嬉しいこと」ときらきら心ときめかせて出かけて参りました。
若冲展について気になった人は若冲展特設サイトへこちら
そして「動植綵絵」30幅はもちろん素晴らしかったのですが、
今回驚いたのは、若冲のその人気ぶり。
入場まで連日数時間待ちは当たり前。
もっとも混んだ日は、320分待ち=5時間半!?という恐ろしい状態だそうで。
(ネットニュースにもなっていました)
(本当に5時間半も並んだ人、いるのかな?私だったらぶっ倒れてしまうでしょう・・・)
とはいえ、かくいう私もチケット売り場に30分並び、入場を待つ列には約2時間並んだので
トータル2時間半並んだことになります!(←5時間は無理!2時間が限界っす、先輩。)
さてさて、ここから本題。
今回はこの2時間半の間に学んだことをお伝えいたします。
私が行ったのは平日でもあったからでしょうか。
お並びになっている人たちは、こぞって高齢の方でした。
(どういう状態かというと私が若者として認識されている?ちょっと目立っている??
という状態です!うきゃっ)
わざわざ平日を選んだのは、まだ空いている方だろうと思ったわけで、
よって誰も誘わず1人、大人しく並んでいました。
暇なので、スマホをいじったり音楽聞いたり、または立ったままPCで作業をしたり・・・
もしていました。
ところが、ふと周りを見渡すと「え?スマホやPCを触っているのは私一人だけだわ!」
高齢の方々は皆、仲良くわいわいがやがや・・・
1人で来ている人も結構いらっしゃったのですが、始めて会った者同士でも
仲良く話をされていました。
ええ?これって、もしもアンダー50才くらいの人々が同じ状況だったら
寡黙にスマホをいじっている人だらけになるのでは?と容易に想像ができました。
そうか、世代によってこんなに違うんだなあ〜アンダー50才とオーバー60才。
コミュニケーション上手は一体どちらなのだろう?
スマホどころか携帯もない時代を生きてきた高齢者の方々は、
生のコミュニケーションをよしとする(というか、それしか知らないのかも
しれないですが)
本当は、それこそが最良のコミュニケーションなのでしょうね。
そこにいる人々が皆一様に下を向き、スマホばかりいじっている姿はある意味滑稽です。
コミュニケーション上手な高齢の方たちに囲まれて、
なんだかホッと暖かい気持ちになりました。
ただし・・・ここからは絵を見ている時の話でして・・・
皆さん親しい人と仲良く思ったことを全部口にして大きな声で表現されるので、
『梅花群鶴図』の素晴らしい美しさに「ああ〜」とうっとり浸り見入っている時に
隣の老夫婦
「あ、これは丹頂鶴だな。」
「え?丹頂鶴?なんでわかるの?」
「頭が赤くて尾羽が黒いのが特徴」
「ふ〜ん、なるほどね、丹頂鶴かあ。はあ〜」
「そうそう。じゃあ次に行こうか」
こんな会話を大きな声でされていると気になって気が散って仕方ない。
「おいおい、もう行くんかい!?
何時間も並んで、ほんとうに絵を見に来たんかい??
図鑑じゃあないんですよ〜。
それよりも、この筆ぶり、大胆な色使い、細密な描画、絶妙な構図、
そういうとこ、見て頂戴!!」
っ叫びたくなってしまいました。
まあ、どう思おうが観る人の自由ではありますがね。
心の中でこそっと思うとか、一緒にいる人とはナイショ話くらいの声の大きさ
で会話してくれればいいのにな〜とちょっと思った次第であります。
で、今日の結論。
コミュニケーションが豊かなことは良いことですが、
時と場所を選んだほうが
いいの
かも?!