シミュレーション技法の eラーニングでの利用 [第49回]
先日、2006年度の「eラーニング等をITを活用した教育に関する調査報告書」が発表されました。この報告書は独立行政法人メディア教育開発センターにより公開されているもので、日本の全国高等教育機関1,276機関に対して行ったアンケート調査を行った結果をまとめたものです。
その中でITに関するものをいくつか抜粋します。
- 回答のあった高等教育機関のうち、IT活用教育を導入している機関の割合は74.6%。
- IT活用教育を導入していない232機関を対象に、今後の予定について調査したところ、「導入を検討している」(33.6%)または「導入を予定している」(12.1%)と回答した機関は合計106機関(45.7%)にのぼることから、今後さらに導入機関数の拡大が見込まれる
- IT活用教育の導入メリットとしては、「効果的な教育の実施が可能となった(例えば、学力の向上に資すること等)」(55.6%)が最も多く、次いで「いつでもどこでも学習ができるようになった」(40.7%)、「学生のニーズに応じた最適な学習をすることができるようになった」(36.5%)
と続く。
高等教育機関の7割でIT活用教育を導入しているのはちょっと驚きました。どうやら故小渕元総理の「e-Japan戦略」の効果が出始めたのでしょうか。
また、eラーニングの実施に関しては以下のものがありました。
- 高等教育機関におけるeラーニングの実施率は46.1%。
- 実施率の内訳は、大学で56.7%、短期大学で24.4%、高等専門学校で72.1%
- 大学設置者別の導入率の高さは、国立⇒私立⇒公立の順で私立が公立より高い
- 実施機関数の割合は過去5年で12.2%から33.1%へ2.7倍に増加。機関別では大学が2.1倍、短期大学が4.4倍、高等専門学校は6.1倍に増加
筆者は企業を対象にしている業務が多く、このような教育機関の動きはちょっと意外でもあり、新鮮でもありました。