2014年01月08日

数学とプログラムで紐解く不定方程式

開発部だより 第223回



新年明けましておめでとうございますグッド(上向き矢印)
みなさま、いかがお過ごしでしょうか。番人でございます。

年が明けたひらめき

ということはセンター試験が目前に迫っていますねぴかぴか(新しい)

今回は来年度センター試験から先行導入される新学習指導要領の数学について、
数学目線とプログラム目線でご紹介したいと思います。

来年度センター試験から新学習指導要領が先行導入される数学と理科ですが、


ピックアップ

数学A 「整数の性質」

2013/11/12大学入試センターより平成27年度からの大学入試センター試験における数学、理科の問題例(試作問題)が公表されました。
今回は「整数の性質」の不定方程式に注目したいと思いますひらめき

*不定方程式とはひらめき
方程式3X+2Y=15のような,整数係数の代数方程式の整数解を求めることを不定方程式を解くという。


不定方程式は新学習指導要領で初登場と思われがちですが、過去に国公立大の2次試験や大学入試センター試験2009 「数学U・B」 の問題として登場しておりまするんるん


では不定方程式の問題を数学とプログラムの2つの考え方で見ていきましょう。

問題1 3x+2y=21を満たす自然数x,yの組を求めなさい。
数学思考
解法@・・・素因数分解
積の形にして、素因数分解を利用する。
3x+2y=21 より、2y = 3(7-x)
(左辺) = 2y > 0より 7-x > 0, よって0 < x < 7・・・@
また(左辺) = 2y = 2の倍数より
  (右辺) = 3(7 - x) = 2の倍数である。
よってxは奇数である。・・・A

@,Aより

x = 1,3,5

∴(x,y) = (1,9),(3,6),(5,3)


問題2 66x + 35y = 3890を満たす自然数x,yの組を求めなさい。
解法Aユーグリットの互助法の利用
66=35×1+31 より、 31=66−35
35=31×1+4 より、 4=35−31=35×2−66
31=4×7+3 より、 3=66−35−(35×2−66)×7=66×8−35×15
4=3×1+1 より、 35×2−66−66×8+35×15=1

すなわち、 66×(−9)+35×17=1

よって、 66×(−35010)+35×66130=3890 より、

66(x+35010)+35(y−66130)=0

このとき、 整数 t に対して、 x=35t−35010 、 y=66130−66t
x 、 y は0以上の整数なので、 35t−35010≧0 、 66130−66t≧0
これを解いて、 1000.2<t<1001.97 より、 t=1001
このとき、 x= 35×1001−35010=25 、 y=66130−66×1001=64 
∴(x,y) = (25,64)


解法A合同式の利用

66x≡3890 (mod 35) または 35y≡3890 (mod 66)を考える。

66x≡3890 (mod 35) の場合

66≡31 (mod 35) 、3890≡5 (mod 35) となるので、

31x≡5 (mod 35)

35x≡35 (mod 35) を辺々引いて、 4x≡30 (mod 35)

両辺を8倍して、 32x≡240 (mod 35) より、 32x≡30 (mod 35)

31x≡5 (mod 35) を辺々引いて、 x≡25 (mod 35)

よって、 x=35n+25 (n は整数)

このとき、 35y=3890−66x=3890−66(35n+25)=2240−2310n より、

y=64−66n≧0 より、 n≦32/33

また、 x=35n+25≧0 より、 n≧−5/7 より、 −5/7≦n≦32/33

 n は整数なので、 n=0 となる。
∴(x,y) = (25,64)


解法@は現行課程で解ける解法
解法A、Bは新課程で習う解法(現行課程でもこの解法を教えている学校は有ります)

様々な解法がありますが、結論(答え)を導く過程は他にも多数存在し、
思考能力の幅を持たせる問題でもあります。


じつは問題2は中学入試で出題された問題なのですexclamation×2

1個66円の柿と1個35円のミカンを合わせて3890円分買いました。
このとき、柿とミカンはそれぞれ何個ずつ買ったのか、それぞれ答えなさい。(平成20年度 灘中学)

解法C
つる算の利用

(解) すべて柿とすると、 3890÷66=58・・・62 なので、いくつかはミカンである。

3890=66×58+62=66×57+128=66×57+35×2+58

1個の柿を2個のミカンと交換すると、余りが 62−58=4 だけ減る。

ここで、128は4の倍数なので、上記の計算を、次のように変形する。

3890=66×57+128=66×57+(35×2−66×1)×32=66×25+35×64

よって、 柿を 25個 と ミカンを 64個を買えばよい。


 (別解) すべてミカンとすると、 3890=35×111+5 なので、いくつかは柿である。

 3890=35×111+5=35×114−100=35×114−(35×2−66×1)×25

 より、 3890=35×64+66×25

  よって、 柿を 25個 と ミカンを 64個を買えばよい。


そして最後にプログラムによる解法

Sub ExGCD(x,y,a,b,c)
' Extended GCD
' x>0 , y>0 に対して ax + by = c となる a, b, c=Gcd(a,b) を求める
'
r0 = x : r1 = y
a0 = 1 : a1 = 0
b0 = 0 : b1 = 1
while (r1>0)
q1 = r0 \ r1
r2 = r0 mod r1
a2 = a0 - q1*a1
b2 = b0 - q1*b1
r0 = r1 : r1 = r2
a0 = a1 : a1 = a2
b0 = b1 : b1 = b2
wend
c = r0
a = a0
b = b0
End Sub


上記の問題を代入すると答えが得られます。


数学で考える・算数で考える・プログラムで考える・・様々な考え方があり、結論を導くためには本質を理解すること大切ですexclamation×2
教育や仕事を通じて多くの考え方を身につけていきたいものですわーい(嬉しい顔)


私たちSATTは教育を行う手段としてeラーニングを推奨します。
反転授業への利用や集合研修など利用方法は様々です。


eラーニング教育について是非一度ご相談下さい!!
posted by 番人 at 17:30
開発部だより | コメント(1) | トラックバック(0)
この記事へのコメント
≪…ミカン…≫の≪…プログラム…≫を有田むきの動作と[π]の変身に観る。

 有田むきは、1/2 1/4 の動作である。
ミカンを半径[1]の球とすると、
第一動作で、半円周[π]と円(断面(π))が、
第二動作で、ミカンの皮(表面積(π))と生る。

[1]の変身絵本は、「もろはのつるぎ」(有田川町ウエブライブラリー)で・・・
Posted by 言葉の量化と数の言葉の量化 at 2021年01月29日 18:35
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