開発部だより 第145回
先週、久しぶりに八重洲ブックセンターをブラついていたところ、「「サンリオSF文庫」から出ている、「サキ短編集」ってありませんか?」と店員に尋ねている人がいまして、私、思わず振り返ってしまいました。
何故って、「サンリオSF文庫」は、既に廃刊から20年以上も経っています。
今では、古書店でいくらかの値が付くという代物です。
ブック・オフでは見つかりません。
懐かしき「サンリオSF文庫」、その昔、お茶の水の交差点に、「茗渓堂」という本
屋がありまして(今でもあったら失礼)、そこの地下1階で、フィリップ.K.ディックの作品集を買い漁ったものです。
背表紙には、昔懐かしい、蛸似の火星人が、小首を傾げていました。
ディックって知りません?
まあ、知りませんよね。
でも、彼の原作の映画は、御存じだろうと思いますよ。
代表的な映画は、「トータル・リコール」、「マイノリティ・リポート」、「ブレードランナー」です。
最後の作品の原題は、「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」というものです。
原題は、重要な世界観を現していたのですが、大衆向けの題に改変されてしまったのが、少し残念な気がした思い出があります。
店員さんに尋ねた人に声を掛けるべきでしたかね、「「サンリオSF文庫」は、もう
潰れたんですよ、お探しの本は、私が持っていますがね」と。