前回ストリーミングビデオのデータ転送レートについて述べましたが、○○[bps]という数字は感覚として少々わかりにくいものだったかもしれません。
その理由は普段私たちが使う単位はビットではなくバイトであること、それに[bps](ビット毎秒)は単位であって全体のファイルサイズを表したりするものではないためだと思います。
そこで今回は映像のデータ転送レートについて例をあげて、画質の感覚値をやしなう方法をご紹介したいと思います。
まずおなじみのDVD-Videoは、特殊な作り方をしなければ約2Mbps〜約10Mbpsの転送速度です。パッケージで販売されている映画等は最高画質のことが多いので、まずこれを覚えておくことをお勧めします。10Mbpsのビットレートならば動画はDVDの最高品質です。
次に、YouTubeやニコニコ動画などの動画共有サイトにある動画です。これは動画が登録された時期などによって一定ではありませんが、おおよそ300kbps〜1Mbpsのものが多いようです。
なお少し前までハンディカムの主流だったDVは、DVD-Videoと同じ縦横サイズで約5Mbps、DVD-Videoの最高画質の半分のデーター量でした。
これはちょっと怪しい例ですが、VHSはDVD-Videoの2Mbpsと同じくらいの画質と言われていました。
またハイビジョン規格では、BS・110度CSデジタル放送の標準放送の品質が12Mbps、地上デジタルの放送の品質が15Mbpsです。
ここまでで、だいたいの画質とビットレートの感覚がつかめてきました。ハイビジョンは無視して、かなり大雑把に言うと300kbpsから10Mbpsが普段見ている映像の転送速度です。実際のところ、各メディアでは圧縮形式などが違うため単純にbpsだけで比較できませんが、今回は感覚値で考えますのであまり細かいことは気にしないことにしましょう。
このブログはeラーニングが話題の中心ですので、放送規格やDVD-Videoよりも動画共有サイトと同程度の300kbps〜1Mbpsくらいの感覚値をつかみたいところです。これはできれば自身で動画ファイルを色々な設定でエンコードしながらデータ転送レートの違いがどのくらいの画質に差が出るのかを試していただくのがよいのですが、今回はもう少しお手軽に感覚を磨く方法をご紹介します。
まず、YouTube(http://www.youtube.com/)にアクセスして、できるだけ違うジャンルの動画をいくつか観てください。
いくつか動画を見ていくと、なんとなくキレイな動画とそうでない動画があることが感じられると思います(多分)。
YouTubeではおおよそ300kbps〜1Mbpsの転送速度の動画が多いようですので、その範囲でなんとなくの見当をつけてみます。
見当をつけたら答えあわせです。動画を右クリックして表示されたメニューから[Show video info]を選択してください。
その動画の情報が表示され、転送レートが確認できます。
また、何種類かの転送レートでエンコードされている動画も多くありますので、同じソースの設定による画質の違いもお手軽に確認できます。
インターネットで視聴する動画はテレビと違い画一的なものではありませんので、画質の良い悪いといった基準をつかむことは一種のスキルです。何らか動画の制作に携わる方には、できるだけ色々な種類の映像を観て感覚を磨いていただければ役に立つと思います。
次回は、データ転送レートと画質についてもう少し話しをしたいと思います。