前回で述べた、音声のレベルを上げて音量を大きくする方法では、もとから大きな音がレベルをオーバーしたり、無音に近い部分の音も大きくなるなど、音声を加工することで雑音を発生させてしまう問題がありました。そこで今回は、このような問題を起こさずに音量を大きくする方法を紹介します。前回同様に音声編集ソフトかビデオ編集ソフトを使用します。
・ノーマライズ
この機能は設定したレベルの範囲内で、振幅量を拡大(縮小)して音声レベルを変更するものです。
ボリュームを単純に大きくすることと違い、設定した値以上に音は大きくならないのでレベルをオーバーさせることはありません。また、もとから小さい音は大きく変化しませんので、かなり便利な機能です。
このように実はノーマライズだけで、単純なボリューム調整で起きた問題は解決してしまいます。特に録音した音声全体のレベルが低いときにはとても有効な方法です。
しかし、残念ながらこの方法はどのような場合でも使える万能なものではありません。録音の状態によってはほとんど効果がでないこともあります。
上の図のように、1箇所でも最大レベルに近い波があるとそこが最大値の基準になってしまい、それ以上は音量を上げることができないのです。
では、このような場合はどうすればよいのか、次回のコンプレッサーを使用した方法で述べたいと思います。