ハード、ソフトともDVDというものが世に出て既に10年以上が過ぎ、既に次世代の記録メディアであるBlu-ray Discも普及しつつあります。
それ以前の映像記録メディアであるVHSはDVDにほぼ駆逐されました。この例からはDVDも過去のものとしての地位に追いやられる運命にあるようにも思えますが、どうもそう単純にはいかないようです。
音楽やPCのデータ保存用としてのメディア、CDは現在も色々な形で生産され続けています。DVDもおそらくCDと同様に今後も使用されていくと考えられますが、VHSとDVDは決定的に何が違うのでしょうか。おそらくの大正解は、映像の記録以外には使用できるか否かだと思いますが、ここではアナログ/デジタルの記録方式の違いと、他のメディアとの再生(記録)互換性があるか否かで考えます。
この二つでわかりやすい表現にしてみると、VHSテープはVHSデッキ以外では再生できませんが、DVDはマルチドライブであればCD、BDも同一のプレイヤーで再生が可能であるということです。(厳密に言うとVHSも、S-VHS、W-VHSなどの種類があり下位互換が実現しているものもある。またD-VHS等デジタル記録方式のVHSも存在するが今回は触れない)
昔録画したVHSテープの映像がデッキが壊れてしまい観ることができない等ということが良くありますが、DVDに関しては現在最も新しい企画の普及品BDプレイヤーがあれば再生することができます。これはCDとDVDについても同じでした。統一規格のメディアに記録できることがほぼ前提となりますので、これこそがデジタル方式記録の恩恵と言えるでしょう。つまり、これら12cmメディアが現役であるうちは以前の規格であっても同様に現役たることができるわけです。
しかしこの事実、何らか映像を扱うものにとってはある意味厄介なことです。制作するにしても素材として使用するにしても様々な規格に対応する必要があります。ましてやデジタル記録のため、何らかの都合で画質を劣化させることは通常許されません。
12cmディスクに記録された映像はVideo-CD、DVD-Video、BD-Video等、更にPC等での視聴を主に対応した映像ファイル形式で記録されたデータディスクがあります。今後はこれらに記録される映像の方式や圧縮について数回にわたり考えていきたいと思います。