開発部だより 第64回
eラーニングと映像、eラーニングで使用する映像を作成するために役に立つ知識・技術について紹介していきます。
2011年7月24日のアナログ放送終了、高精細度デジタル放送への完全移行とテレビ放送では横長の画面が完全に標準になる日も近づいてきました。ソフトの制作では縦横比(横縦比)16:9としているものも多くなっています。この横長画面への移行の流れ、eラーニングを含むPCで観る動画にも及ぶものでしょうか。今回は画面のアスペクト比について考えます。
画面が横長になることの利点は、人間の視野に近くなることで臨場感を高く感じるということが一番でしょう。大画面テレビや映画館のスクリーンがその例ですが、一方その条件を外れた場合はその効果はあまり発揮されないことになります。
現在eラーニングで使用される映像は、大画面で臨場感を伴ってみるものよりも、情報として提示される静止画の延長のような用途が多いと思います。早くも結論が出てしまいますが、このような用途ではテレビの風潮にあわせてワイド画面にこだわる必要はありません。
ただ問題なのは撮影する機材の方です。現在、一般的に入手できるビデオカメラは4:3、16:9を切り替えて録画できるタイプがほとんどですが、これが今後テレビに合わせて4:3の撮影機能が省かれていく可能性もあります。そうなると4:3での制作が困難になり、長期間で制作する連続コンテンツ等では、現在から16:9をすすめるべきかも知れません。
なおコンテンツによっては、静止画と動画をレイアウトとして同じもののように扱うこともあります。そこで静止画について見てみますと、現在一般的に入手・使用されるデジタルスチルカメラで撮影した画像のアスペクト比は通常4:3、従来のテレビと同じです。(ただし動画撮影機能で録画した映像は16:9だったりするので紛らわしい)
こうなると、どちらかをどちらかに合わせて加工するか、または異なるアスペクト比の混在を許してもらうしかありません。
結論が出たようで出ていないアスペクト比の問題ですが、eラーニングで動画を使用する場合はそのような状態はしばらく続くと思われます。もっともPCでは画像や映像の表示サイズを自由に設定することすらできるので、制作に当たっては綿密な調整と応変に対応が必要でしょう。