開発部だより 第60回
eラーニングと映像、前回に引き続きeラーニングで使用する映像を作成するために役に立つ知識・技術について紹介していきたいと思います。今回は前回に引き続き音声について考えていきます。
前回は主に撮影時における音声記録について述べましたが、映像コンテンツにて使用される音声は映像と同時録音の現場音のほかに次のようなものがあります。
・ナレーション
主に説明・進行のために映像に被せるようにして再生される人間の声です。通常は映像にあわせて後から録音を行いますのでアフターレコーディング(通称アフレコ)とも言います。ちなみにアニメーションや洋画等の音声吹き替えはアテレコとも言いますが、広い意味ではアフレコです。
eラーニングコンテンツでは特にナレーションの比重が大きいようです。文字のみが画面に表示され、ただ読むのは味気ないですし、ナレーションに頼らず説明を行おうとすると長時間にわたるドラマ仕立てが必要になり手間がかかります。ナレーションによる説明は人の話を聴いているのとほぼ同じですので、これを基調にすれば理解されやすい無難なコンテンツが作成しやすいのです。
・BGM
バックグラウンドミュージック、裏で流れるような音楽です。基本的にこれがメインになることは特にeラーニングコンテンツでは稀ですが、ドラマ等では雰囲気作りに大いに貢献しますのでそうのようなコンテンツでは必要でしょう。
ただ、このBGMを選曲するのは意外に難しいもので、音楽著作権協会に管理委託されているような音楽を使用する場合はそれなりの費用が必要ですし、著作権フリーとされる音楽でもそれば収められているCD等自体はもちろんタダではありません。むしろ著作権フリーの音楽が収められたCDは一般の音楽CDに比べて高価ですし、外部に依頼する制作などでもそれを使用すればの使用料金を計上されます。
なおBGMは必要ならば自分でつくることも可能です。ある程度の長さの音楽を繰り返して再生するループ音楽を作成するようなソフトウェアもありますので、多くBGMを用意しなければならない場合や希望のジャンルやテンポの音楽が見つからない場合は考えに入れても良いでしょう。
・SE
効果音(Sound Effect)です。一般的には音楽以外の音声演出のことを言います。正解・不正解を表現する「ピンポン」「ブブー」や時間の経過を表す時計の進む音など、eラーニングコンテンツではBGMよりも使用するケースは多いようです。
その他では「ジングル」と呼ばれる短めの音楽等もあります。
これらの音声は、現場で録音されるものとは違い制作者が意図的に加えるものです。音が映像に及ぼす影響が大きいことは以前にも述べましたとおり、制作者は使用[する/しない]の段階から明確な理由意思を持ってその利用を決定する必要があるでしょう。
次回はまた映像に戻って、画面効果というものについて考えていきたいと思います。